習い事の教科書 - 習い事に通わせるべきか?④ -
今回の記事は、子どもが習い事に通うことで得られる「親にとってのメリット」についてお話します。
習い事は親の余裕を作り出す
親にとって習い事は、金銭的、時間的な負担となってしまいがちです。しかし、習い事と上手く付き合うことができれば親にもメリットが生まれます。そのメリットを生むためには、習い事を「子育ての余裕を作るお助け」と捉えることが重要です。また、子育てに一生懸命になりすぎずに肩の力を抜いても良いんだ、というように考えることも大切です。
まず、習い事は親が自分の時間を持つきっかけになります。近年、共働きのご家庭が増えていますが、共働きであってもそうでなくても、仕事や家事で日中が終わり、一段落つくころには子どもが帰宅し、なかなか自分の時間を持つことが難しいと思います。子どもや家族のために時間を使うことはもちろん大切ではありますが、ほっと一人で息をつく時間も必要です。そのような場合に、習い事を活用することで自分の時間を生み出すことができます。1箇所で複数の習い事ができるか、他の習い事教室に近い教室を選んだり、子どもが家から歩ける距離の習い事を選んだりすると、このメリットはより引き出しやすいでしょう。
習い事は子育てにおける精神的な余裕や心の支えにも繋がります。言うまでもありませんが、子育てはとても大変です。その大変な子育てに関して気軽に相談できる存在が周りにどれだけいるでしょうか。中には孤独感を感じながら子育てをされている方もいると思います。そんなときは是非習い事の先生に頼ってみてください。習い事の先生は、これまで沢山の子どもを見てきています。親でも知らない子どもの一面を知っています。そして、子ども達に幸せになってほしいから習い事教室を開いています。困ったときはその習い事に関することでなくても習い事の先生に相談してみてください。
また、習い事は将来への投資とも考えることができます。ゴールデンエイジについては先述した通りですが、「体の成長」のみならず「心の成長」や「技の成長」についても、(発達段階を考慮する必要があるため早ければ早いほどよいというわけではありませんが、)同じように早い時期から取り組むことによって将来に良い影響がでやすいことが分かっています。学習塾を例にとると、小学生の塾は1万1円程度が相場であるのに対して、中学生や高校生では2万4千円が相場となり(文部科学省 平成30年度子供の学習費調査を参考に筆者算出)、倍以上となりますので、中学生や高校生で塾が不要になるように小学生のうちに塾や学習系の習い事に通わせることは、長期的には金銭的な負担が減ることに繋がり得ます。
ここまで、「子どものメリット」や「親のメリット」についてお伝えしてきましたが、次回が最後になります。次回は、それぞれが最大限にメリットを享受できる「Win-Win」の関係を目指すためのポイントについてお話します。