森　 代表

合氣道光氣会です。当会は1960年代アメリカへの合氣道普及から始まりました。
現在は長久手市に本部道場があり、私は本部指導経験をふまえ2021年より地元東海市で教室を始めております。
文章では固くなりますが、みなさまに合氣道の魅力が伝わり、仲間が増えることを切に望んでおります。

＜合氣道の強さとは＞
日本人の美徳とは何でしょう。優しさ、おもてなし、慈しみなどありますがそれを悪意でつけ込むと、時に弱者へのいじめとなります。つまり前提として私たちは、悪意を受け入れない強さが必要となります。
また強ければ何でもよい訳ではありません。ガチガチに固めた強さは緊張やストレスで氣の流れを止め、身体に悪影響を及ぼします。肩こり、片頭痛もストレスの代表的なものです。そこでストレスから逃げるのですが、逃げ続けると疲れ、またストレスになります。
従って人は弱いより強い方がよく、強さに質を伴うことが必要となります。

合氣道は誰でも心身共に強くなるのが特長の一つです。
スポーツでは主に身体能力の差で強い人が勝ちます。負けるとストレスで継続や成長を妨げます。
しかし合氣道は基本的に勝ち負けが無いのでストレスなく継続できます。
身体能力が低くても、時間はかかるかもしれませんが「継続は力なり」と誰でも強くなります。成長が楽しくなるとストレスは軽減して継続意欲も出ます。

＜合氣道で得られるもの＞
厳密には合氣道を長く続けると、勝つべき相手は自分（これを正勝吾勝といいます）と気付きます。この辺りから合氣道の精神性に繋がります。
技が上手くいかない時、強い相手だから技が利かないのではなく、相手が強いという潜在意識で自分が正しく動けない、つまり「人に勝つより自分に勝つ」のです。
合氣道では何度も何度も何度も同じ技を繰り返し、身体に叩き込みこの意識を克服していきます。また丹田（下腹）を中心とした反復動作により脳は休まり、身体はヘトヘトでも頭はスッキリします。
特に女性や子どもなどは、継続が成果となり本人の気付かない内に自信として培われる点は重要かと思います。

＜合氣道を続けること＞
私は20数年合氣道を続けています。よく知らない方からは凄いと言われますが、合氣道を続けていると年数は問題でない事が分かってきます。肝心なのは止まっていないかという点です。
5年、10年続ければ技は言葉通り身に付きます。技の反復は身体作りでもあるので続けていれば合氣道に適した身体にもなります。昔出来なかった技も出来るようになります。そこで合氣道は分かったと早合点すると成長は止まります。
分かり切った技を更に10年同じやり方をします。足腰、手首など身体は強くなりますが技の成長にはならないようです。
しかし分かり切った技を追及し続けていると、ほんのたまにですが、新たな発見があり技は進化します。なぜ10年、20年気付かなかったかと驚きます。
合氣道には小学生でも出来る簡単な技があります。しかし技は一生成長すると言われています。
何につけ変化や発見は嬉しく楽しいものです。そんな仲間にみなさまも加わって戴ければとても嬉しく思います。

＜補足：合氣道の技について＞
最後は技についてです。技はよく分からないという方は、さほど重要でないので読み飛ばしてください。
合氣道の技は書籍やインターネット等で様々な形が見受けられます。
例えば技の表現で創始者は「武にして舞」と言いました。しかしこの体現は非常に難しいのです。
その舞のような見栄えから入る流派は、相手の氣に合わせると、相手との繋がり重視で技を練習します。私の先生も昔は「氣を合わせろ（頑張るな）」と指導受けました。おそらく美しい形を基本に、次第に相手が頑張っても効く技に練習を重ねるのだと思います。護身術の実践性は後からと思います。
しかし当会はアメリカでの指導がベースにあるので、形も重要ですが頑張られて何とかする事も重視します。そして非常に難しいのですが、効果が一番発揮できるのは正しい姿勢で舞いのような動きとなります。私たちは護身術の実践性が先となっています。
また流派によっては合氣道初期の技を継承、練習し続けています。私たちは現代の生活様式に合わない、例えば座り技などは膝を傷めるためやりません。知識としては練習します。一方、蹴りやジャブなどの攻撃は昔の合氣道にありませんが、合氣道の理合いで練習します。現代に則した武道という点もアメリカでの経験が影響しています。