「速読」で勉強も、スポーツも音楽も(後半)

「速読」で勉強も、スポーツも音楽も(後半)

日本速脳速読協会 
高橋智恵

 ここ数年で、大学入試だけでなく、高校入試や中学受験などでも問題の長文化が進み、思考力に加え、高い情報処理能力も求められるようになりました。

 そのような中、習いごととして「速読」が注目され始めています。一方で、「速読」ときいてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。

 そこで、今回はそんな速読の「魅力」や「身につく力」について、全国2300以上の教室で「速読解力講座」を開講されている、日本速脳速読協会の高橋智恵様にお話を伺いました。

 前半では、速読の魅力に迫りました。後半の本記事では、実際に我が子を通わせるにあたっての注意点などを伺います。

速読トレーニングについての魅力を前半でお聞きしましたが、実際に通う場合、何か目標や指標になるものはありますか?

 速く正確に読み解く力を総合的に測る検定「速読解力検定」を定期的に開催しています。ひとつの目標として、「速読解力検定〔速解力〕」の上位級・段を目指してトレーニングをすることをおすすめしています。

 上位級・段を目指すためには、日々のトレーニングの積み重ねが重要となります。毎回のトレーニングで1文字でも1点でも速度や得点を高めることを意識して「自己ベストを超える」といった姿勢で取り組んでいただくことが、上位級・段へのステップとなります。

「速読」はなかなか習熟がイメージしづらいものなので、検定があるというのは通わせる側にとってありがたいですね。

 ただ、級はあくまで目安として捉えていただければと思います。

 たとえば「そろばん」の場合、何度も繰り返し取り組むことで計算のコツをつかみ、スピードが向上していく様子がイメージできるのではないでしょうか。

 速読トレーニングもそれと似たようなところがあります。何度も繰り返しトレーニングすることで速い読み方のコツをつかみ、脳の特性も利用しながらだんだんと読書速度が向上していきます。

 そのため、すぐに級や段が向上するというものではありません。しかし、トレーニングをすることで短期記憶力などの「能力」や「得点力」は高まっていますので、速読力の土台が高まっていることもお子さまの変化や成長している部分として見ていただき、焦らずにお子さまのペースでトレーニングを続けていただけたらと思います。

親としては、級に現れない成長も見てあげるということも重要なのですね。

親としては、級に現れない成長も見てあげるということも重要なのですね。

 そのとおりです。「いつも通り読んでいる」という感覚のまま、だんだん速く読めるようになるので、本人も変化を感じていない場合もあります。

 速読トレーニングの成果は、学校の朝の読書時間で他の人より速く読み終わっていた、テストで他の人より早く解き終わっていた…など日常のふとしたタイミングで気付くものです。

 ですので、お子さまの様子を少し観察していただき、日々の生活の小さな変化でもよいので伝えていただくとこれまでとの違いに気付きやすくなり、トレーニング成果が実感しやすくなります。

他に通わせる際の注意点はありますか?

 文章を読むための必要最低限の語いや文法などの知識は、トレーニングとは別で学習が必要という点が挙げられます。

 もちろん、トレーニングで文章に触れる機会が増えますので、前後の文脈から意味を類推する経験を重ねて語い力が育つことは多少期待できますが、読めない漢字が急に読めるようにはなりませんし、文法知識がなければ文章の意味を正しく理解することもできません。

 トレーニングをして読むことに自信をつけていただくことがとても重要で、その自信から読書経験を増やし、国語の学習も前向きに取り組んでいただけるようになれば、速く読める読み方はトレーニングで身につけ速度も向上していきますので、より「速く正確に読み解く」ことができるようになります。

この記事で速読に興味をお持ちになった方もいると思いますが、どこでトレーニングを受けられますか?

 理解度を維持したまま速度を向上させる日本速脳速読協会の速読トレーニングは、速読解力講座を開講している認定教室で受講できます。

 現在、全国では約2300教室以上で開講されており、知多半島で開講している教室もあります。後でお伝えしますので、記事のどこかでご紹介いただければ幸いです。

 また、近くに受講できる教室がない場合は、現在通われている学習塾や教室の先生に速読トレーニングを受講したい旨を伝えてみてください。速読解力講座の開講をご検討いただけるかも分かりません。

最後に、読者の方にメッセージはありますか?

 ぜひ多くの方に、速読は特別な能力ではなく、誰もがトレーニングで読書速度を向上できることを知っていただけたらうれしいです。そしてトレーニングで鍛えた眼の機能や速読力を、普段の学習や試験、読書やスポーツなど様々なシーンで発揮されて、実現したい夢や目標の達成のために役立てていただけたら幸いです。

 また、本日はお話しませんでしたが、「速読聴英語講座」という速読の英語バージョンもあります。こちらは、英単語も一緒に勉強しながら英文の読解スピードを高める講座です。こちらについてもご興味がある方は受講してみてください。

ありがとうございました!とても勉強になる楽しいインタビューでした!日本速脳速読協会の速読トレーニング「速読解力講座」や「速読聴英語講座」が受けられる教室は記事下部で紹介します!また、講座を開講されたいお教室は、チタナラ運営事務局でも、日本速脳速読協会様でもどちらでも結構ですのでご連絡ください!

 

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 検定で客観的に子どもの成長を実感できるという魅力がある一方で、そればかりにとらわれず、検定級に現れない成長も見つめるというお話がとても印象的でした。

 速読に限らず、勉強や他の習い事でも意識したいことです。今回のインタビューで「速読」の魅力が一人でも多くの方に伝わっていましたら幸いです。